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幕末維新備忘録

幕末から明治維新に関する備忘録

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

宮刑を受け発憤した司馬遷

前回の記事『王陽明と夢 - 人物言行ログ』では、王陽明が逆境により大悟したことを書きました。今回は宮刑を受け発憤した司馬遷について。 私心なく歴史を書いた人物 司馬遷が『史記』の作者ということは知っていましたが、史記列伝の「太史公自序」を読むま…

王陽明と夢の逸話

前回の記事では高杉晋作が見た夢の逸話を書きましたが、今回は王陽明と夢の不思議な関係について紹介します。 <a href="http://hikaze.hatenablog.com/entry/2014/11/28/185559" data-mce-href="http://hikaze.hatenablog.com/entry/2014/11/28/185559">高杉晋作が見た夢 - 人物言行ログ</a> 生誕に関する逸話 安岡正篤氏編の『伝習録 (中国古典新書)』によれば、王陽明は14ヶ月も母の胎内にいたそうで…

高杉晋作が見た夢

高杉晋作は、上海で不思議な夢をみた。天照大神、孔子、キリストの3人がでてきた。また野山獄に入っているときにも、不思議な夢を見ている。 夢にしたがい書かれた『投獄記』 野山の獄の夢では、白髪の老人が嘲りながら、 「この苦しい状況に陥った理由を聴…

山岡鉄舟の死――坐禅を組んだまま

正午前、勝海舟が山岡家の玄関に行く。すると鉄舟の息子山岡直記《なおき》が出て来て言う。 「いま死ぬるというております」 勝が中に入ると、人が大勢集まっている。その真ん中に鉄舟がいた。真白の着物に袈裟をかけ、神色自若として坐禅を組んでいる。 「…

さあ、失敗しよう

吉田松陰先生は失敗の多い人生だった。「松陰先生の一生は失敗の歴史である」と徳富蘇峰が極言しています。 photo credit: ...-Wink-... via photopin cc 松陰の失敗の数々 東北旅行したときに藩の許可をとれないまま行ってしまった ロシアの軍艦に乗ろうと…

尊大すぎた佐久間象山

佐久間象山は傑出した才能を持っていた。それにもかかわらず卓越した能力を政治に及ぼすことなく、非業の死を遂げた。なぜだろうか。 省〔ケン〕録 (岩波文庫 青 14-1) 作者: 佐久間象山,飯島忠夫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2001/04/05 メディア: …

佐久間象山――幕末一の洋学者であり天下の師と自負していた男

天下の師と自負していた男 象山は、幼少のときから賢かった。三歳のときの逸話が「おらんだ正月」にある。 お寺の門山あった「禁葷酒」という石の表札を見て、文字を暗記した象山は、負ぶってい乳母の背中に「禁」の字を指先で書いた。驚いた乳母は、家に帰…

吉川英治さんの随筆

吉川英治さんの作品が青空文庫 で読める。便利な時代だ。そして随筆が読みやすいことに驚いた。たぶん、小説ほど文体にこだわってないからなんだろう。内容も、おもしろい。 足利家と水戸家の言い伝え 足利尊氏が逆賊と決定づけられたのは、水戸藩で編纂した…

高杉晋作の敵

photo credit: DvYang via photopin cc 患難即平安、平安即患難 中岡慎太郎の人物評では、『見識があり機略もあり、どんな事態に臨んでも惑うことなく、機を看て動き、気で人に勝つものとして高杉晋作がいる。洛西(京都より西)の一奇才』と、晋作を評価し…

天才と無意識の関係についてゲーテの見解

photo credit: Jorbasa via photopin cc 天才はすべて無意識になす 芸術創造における意識と無意識の働きについてシェリングと論争したシラーは、ゲーテに意見を求める。それについてゲーテは、 およそ天才が天才である限りそのなすところはすべて無意識にな…

頭と腕に勇ましい力こもれば、いずこにいてもわが家と同じ――吉田稔麿について

photo credit: nosha via photopin cc いつまでも土地に釘付けになるな 思い切りよく、元気に飛び出せ 頭に腕に勇ましい力こもれば いずこにいてもわが家と同じ 太陽をよろこぶところ どのような憂いもない われらが世界に散らばるように そのためにこそ世…

歴史を知ることは無駄ではないか

photo credit: gualtiero via photopin cc 「歴史を知ってどんな意味があるの?」「実際にはつかえないことじゃん」 歴史が好きだといえば、そんなふうに言われることがあった。(もちろん一部の人だけど)。 多くの思想家、哲人がアンサーをだしているけれ…

高杉晋作

高杉晋作 生年月日:1839年9月27日 生地:長門国 萩(現・山口県萩市) 尊敬する人物:楠正成、菅原道真、屈原、王陽明、吉田松陰など 好きな食べ物:「鯛のあら煮」、「長州鮨(鯛の押し寿司)」「マグロ(江戸ではまる)」 ファッション:服装には…

天性の偏屈ーー高杉晋作

photo credit: maaco via photopin cc 「俺は人の好き嫌いが激しい。相手の器量によって言動を変えてしまう」ということを晋作は手紙に書き、 「剣術は得意だが、天性の偏屈さのせいで上達が妨げられている」と、剣術修行中の日譜に手記していた。 一つ年下…

ゲーテもおそれたデモーニッシュ(魔神的)なる力

人物が高等であればあるほど支配される photo credit: Cpt via photopin cc 以前の記事「ナポレオンとゲーテ -」でもちょっと触れたデモーニッシュという言葉は、『詩と真実』のなかで説明されています。 それは非理性的に見えたから神的なものではなかった…

ゲーテのナポレオン観

photo credit: greg westfall. via photopin cc エッカーマンは、ゲーテとのやりとりを「ゲーテとの対話 」として世に出している。この書物では、ナポレオンについて言及している箇所がおおい。またそのほとんどが賞賛で、ナポレオンについて語ることはゲー…

ナポレオンとゲーテ

photo credit: timofeic via photopin cc ナポレオンが欧州を蹂躙していった時代 いくつもの国に分かれていたドイツは、ナポレオンに制圧されます。 そのひとつにヴァイマルという国があります。決して大きな国ではない。が、ナポレオンとヴァイマルの宰相と…

はじめまして

このブログでは歴史人物の逸話や、僕が興味をもった事柄について独断的に記事にしようとおもいます。