書評、レビュー
本書に序文を寄せている夏目漱石は、池辺三山との出会いを回想して、西郷のように感じたと書いている。 池辺君の名はその前から承知して知っていたが、顔を見るのはその時が始めてなので、どんな風采のどんな恰好の人かまるで心得なかったが、出て面接して見…
本書は明治以前に医学、植物学(本草学)、天文学などで功績のある人物が紹介されています。 児童の雑誌のためにまとめられた書籍ですから、平易な文章で書かれていて、とてもわかりやすいです。(森銑三氏の文章が好きな自分としては、ややもの足りない感じ…
自分が理解されるのは千年後だ、と徳富蘇峰(とくとみ そほう:徳富猪一郎)は自負していたそうですが、現段階では彼の再評価がおこなわれるどころか、著作すら入手しがたい状況です。 大型書店を覗いてみても「吉田松陰」ぐらいしか見かけないのではないで…
知りたいこと、関心のあることだけを抜き書きしようとしたのに、気がつくとほとんどをノートに写していたことがある。とくに森銑三氏の著書にはそういう魅力がある。 良書とは、要するに著者の誠実な心から生まれて、その意図したところが十分にかつ的確にそ…
kindleで徳富蘇峰の作品が読めることを最近知りました。名著でありながら入手困難だった『近世日本国民史』が簡単に購入できます。スマートフォンに入れておけばどこにいても空いた時間に読むことができる。織田信長の時代から明治維新までを叙述した「畢生…
本書は、フランス人から見た幕末の日本が書かれています。当時の日本が、外国人にはどのように写ったか。そして何を伝えるべくして書きあらわしたかが、本書を手に取った自分の関心でした。本書で際立っている描写をまとめますと、 「日本人の住居の際だった…
吉川英治さんの作品が青空文庫 で読める。便利な時代だ。そして随筆が読みやすいことに驚いた。たぶん、小説ほど文体にこだわってないからなんだろう。内容も、おもしろい。 足利家と水戸家の言い伝え 足利尊氏が逆賊と決定づけられたのは、水戸藩で編纂した…