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幕末維新備忘録

幕末から明治維新に関する備忘録

中村敬宇の根気

幕末・維新

中村敬宇(正直)といえば『西国立志編 』(サミュエル・スマイルズの『Self Help』の邦訳)の一文、「天は自ら助くる者を助く」などで知られる。また彼の『敬天愛人説』が西郷隆盛に影響を与えたともいわれている。

 

彼は慶応二年に林董らと英国へ留学した。 留学生のなかで年長だった彼は、川路太郎とともに取締役を命じられていた。

 

下宿先で毎朝五時頃に『八家文』『左伝』『史記』などを朗読していたらしく、当時上の階に住んでいた林董はそれを聞いていた。しかしある日ふと不思議に思った。というのも中村が携えてきた漢籍が少ないのを見ていたからだ。そこで、書籍をどこで手に入れたのかを訊くと、

「読書ではなく、暗誦しているのだ」
と答えたという。その根気の強さには敬服した、と林董は『後は昔の記』で語っている。

 

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