西郷隆盛伝を編成しようとした大久保利通とそれを継紹した勝田孫弥『西郷隆盛伝』

大西郷挙兵の確報に接した大久保公は、「ああ、西郷は遂に壮士の為に過まられた」と深く歎息した。西南戦争後には「われと南洲との交情は、一朝一夕のことではない。然るに彼は賊名を負って空しく逝き、今や世人は、その精神のあったところを誤解しようとしている。これほど遺憾なことはない」と、大西郷の悲惨な最期に万…